サービス名を決めるとき,多くの人は「かっこいい名前を考える」→「後でドメインを取りに行く」という順序で進めます.ところが,これで進めた人の8割が,どこかで「欲しい名前のドメインがもう取られている」「SNSハンドルが空いていない」「検索しても自分が出てこない」のいずれかにぶつかって命名をやり直すことになります.
この記事では,弊社が新規プロジェクトのネーミング時に意識している7つの原則と,「ドメインが取れるかどうか」から逆算する命名プロセスを紹介します.Syllabuy や snap-lynk といった実例も交えて,「机上の名前候補」ではなく「実際に世に出せる名前」を作るための話です.
原則1:口頭で1回で正しく伝わること
「うちのサービス,スルーっていうんです」――それ, thru? through? slu? 口頭で名乗ったときに,相手が脳内で1通りのスペルしか思い浮かべない名前にしてください.
具体的にはこれを避けたい:
- 英単語の短縮形(
4u/2nite/thru) - 同音異綴り(
flair/flare) - 変則カタカナ(「ジー」が
jiなのかjeeなのか)
名乗るたびに「スペルどうやって書きますか?」と聞かれるサービスは,それだけで集客の摩擦になります.名前は音と文字が1:1で対応するのが理想.
原則2:検索結果1ページ目を,自分で取れること
「Apple」「Note」「Box」――こうした一般名詞そのままのネーミングは,個人開発者には絶対におすすめしません.Google で検索しても自分のサイトに辿り着いてもらえないからです.
判定の仕方は簡単で,サービス名候補を Google にそのまま入れて検索する.検索結果1ページ目にすでに強い競合が並んでいたら,その名前は捨てて次を考える.「でもうちはニッチだから大丈夫」と思っても,認知が広がる頃には必ず競合検索で埋もれます.
原則3:4〜10文字に収まること
文字数の目安は4〜10文字.これより短いとほぼ100%先に取られているか,あるいは固有名詞として弱い(覚えにくい).これより長いと口頭で言うのもタイピングするのも億劫になる.
参考までに身近な例:
Notion(6文字) /Figma(5文字) /Slack(5文字) /Stripe(6文字)Syllabuy(8文字) /snap-lynk(9文字)
体感として,5〜8文字あたりが「言いやすく,覚えやすく,まだ取れる」ゾーンです.
原則4:他言語で変な意味にならないか
日本語感覚で良い響きでも,英語・中国語・スペイン語などで下品な意味やネガティブな単語と被ることがあります.グローバル展開の予定がなくても,海外メディアやSNSに引用されたときに事故になる.
チェック方法はシンプル:候補が固まったら,Google翻訳に主要5言語(英・中・西・仏・露)で食わせる.意味のない造語なら何も出てこないはずなので,何か出てきたら要警戒.
原則5:商標 / 既存サービスと衝突しないこと
これは原則というより必須チェック.日本なら J-PlatPat(特許情報プラットフォーム),世界向けなら trademarkia などで「同じ業種に登録商標が存在しないか」を確認.
軽い気持ちで my-uber-clone や amazon-mini のような名前を付けると,数年後に法務から書面が届きます.サービスがある程度大きくなってからの改名は,売上・SEO・ブランド資産すべてに打撃を与えるので,最初に潰しておくのが圧倒的に安い.
原則6:ドメインとSNSハンドルを同時に押さえられること
ここが今日の本丸.名前候補が固まったら,必ず「公開する前」にドメインとハンドルを同時押さえします.
your-name.comが取れるかyour-name.jpが取れるか(日本展開予定なら)@your_nameが X / Instagram / GitHub で空いているか
このうち1つでも欠けると,後で集客導線が分断されます.例えば .com が取れても,X のハンドルが取られていて @your_name_official みたいな苦しい派生名になると,口頭で名乗ったときの自然さが一段落ちる.
逆に,ドメインが「全種」空いている名前は,それだけでネーミングとして優秀です.まだ世の中の誰も思いついていない造語ということなので,原則1〜5を満たしていれば,迷わず確保してください.確保には ムームードメイン の検索窓に名前を入れるのが手っ取り早い.年額数百円から数千円,「思いついた30分以内」に押さえるのが鉄則です.
原則7:5年後の自分が説明したくなる名前か
サービス名は5年後も自分が口にし続けるものです.流行りの語感(-ly,-ify,get-,my-)に乗せると,3年後に古臭く感じます.
テストの仕方: その名前を,両親や祖父母世代に説明することを想像する.「Syllabuy は,シラバスと買うを組み合わせて,講義のシラバスを見ながら教科書を買えるようにしたアプリです」――こう説明したときに,自分が自然にニコッとできるかどうか.照れたり言い訳したくなる名前は,5年は持ちません.
逆算プロセス:ドメイン取得を起点に命名する
上の7原則を全部頭に入れたうえで,弊社が実際にやっている命名プロセスはこうです.
- キーワードを20個書き出す. プロダクトの本質を表す英単語・日本語・造語の素材を脳のキャパいっぱい並べる.
- 2語の組み合わせで30案ぐらい作る.
Syllabus + Buy = Syllabuyのように,意味のレイヤーを2つ重ねると独自性が出る. - ドメイン検索でフィルタする. ムームードメイン の検索窓に30案を順番に入れ,.com / .jp / .app の3種が全部 or 2種が空いているものだけ残す.ここで7〜8割が脱落する.
- 残った候補で原則1〜5を再評価. 口頭テスト,検索テスト,他言語テスト,商標テスト,文字数テスト.
- 勝ち残った1〜3個で1日寝かせる. 翌日まだ良いと思ったものが正解.
- その日のうちにドメインとSNSハンドルを全部押さえる. コンマ1秒で他人に取られる前提で動く.
このプロセスで重要なのは,ステップ3でドメイン検索を入れていること.「考えてから取りに行く」のではなく,「取れるものから選ぶ」発想に切り替えることで,命名の手戻りが激減します.
まとめ ― ドメインが取れた瞬間,名前は確定する
サービス名は,机の上で長く考えるほど良くなるものではありません.むしろ「取れるかどうか」という現実の制約に削られながら磨かれていくものです.7原則を頭に入れた上で,候補ができたら即ドメイン検索 ―― これが最も短いネーミングサイクルです.
「これだ」と思った名前を見つけたら,迷わず ムームードメイン で押さえに行ってください.年額数百円のコストで,あなたのプロダクトはようやく「世界に対して存在している」状態になります.
※ 本記事中の「ムームードメイン」へのリンク/バナーはアフィリエイトプログラムによる広告を含みます.