サービスを公開しても,訪れた人が申し込んでくれなければ収益にならない.その『訪問者を顧客に変える』役割を担うのが,ランディングページ(LP)だ.集客フェーズの最初に,この成約の入口を固める.

どれだけ良いサービスでも,LPで価値が伝わらなければ,訪問者は数秒で去る.逆に,刺さるLPは,同じ訪問者数でも成約を何倍にも増やす.LPは,集客のあらゆる施策(SEO・SNS・広告)が最終的に注ぎ込まれる,収益の合流点だ.

この記事は,サービスを公開し,いよいよ集客を始める個人開発者に向けて書いている.LPの役割,ファーストビューの設計,価値の伝え方,不安の解消,効果的なCTA,改善の回し方まで,申し込まれるLPを作るための要点を解説する.

扱う範囲は,LPの役割 → ファーストビュー → 価値の言語化 → 課題への共感 → 機能の見せ方 → 社会的証明 → 不安の解消 → CTA設計 → 料金の見せ方 → 改善 → よくある失敗,だ.読み終えたとき,あなたは訪問者を申し込みに変えるLPの作り方を理解している.

なぜ「LP」が集客の成否を決めるのか

集客には,SEO(第21回),SNS(第26回),広告など様々な手段がある.だが,それらで人を集めても,受け皿であるLPが弱ければ,訪問者は申し込まずに去る.穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので,集客の労力が無駄になる.

逆に,LPの成約率(訪れた人のうち申し込む割合)が上がれば,同じ集客努力で,収益が何倍にもなる.第2回で触れたLTVや,第4回の価格と合わせて考えれば,LPの改善は,集客コストの効率を直接左右する,極めて費用対効果の高い施策だ.

そしてLPは,第3回で固めた差別化とポジショニングを,訪問者に伝える場でもある.『誰のための,どんなサービスで,なぜ他より良いのか』を,数秒で伝え,申し込みへ導く.LPは,これまで積み上げてきた価値を,収益に変換する装置だ.

本記事のメッセージは,『訪問者の視点で,価値を素早く伝え,不安を消し,行動へ導くLPを作る』ことだ.デザインの巧拙より,『誰に,何を,どう伝えるか』の設計が成否を決める.個人でも,原則を押さえれば,刺さるLPは作れる.

LPの役割 ― 訪問者を行動に導く一本道

ランディングページ(LP)とは,訪問者を特定の行動(申し込み・登録・トライアル開始)へ導くことに特化したページだ.多機能なサイトと違い,LPの目的は一つに絞られる.あれこれ見せず,訪問者を一本道で行動へ導く.

LPで最も意識すべきは,『訪問者は,ほんの数秒で去るかどうかを判断する』ことだ.最初の画面で『自分に関係ある,価値がありそう』と思わせられなければ,その先は読まれない.だからこそ,何を最初に見せるかが決定的に重要になる.

そして,LPは訪問者の視点で作る.作り手は『自分のサービスのすごい機能』を語りたくなるが,訪問者が知りたいのは『それで自分の何が解決するのか』だ.第2回で学んだ通り,顧客は機能ではなく,課題が解決された状態を求めている.LPは,その視点で組み立てる.

LPの構成は,おおむね『つかむ(ファーストビュー)→共感する(課題)→価値を示す→信頼させる→不安を消す→行動させる(CTA)』という流れになる.訪問者の心の動きに沿って,上から下へ,自然に申し込みへ導く.この流れを意識して設計しよう.

目的を一つに絞る

LPでやりがちな失敗が,あれもこれも盛り込んで,訪問者を迷わせることだ.LPの目的は一つ(申し込み)に絞り,それ以外への寄り道(無関係なリンク等)は極力減らす.迷いは離脱を生む.

第4回の料金ページや第12回のドキュメントへの導線は必要だが,LPの主役は常に『申し込みへの一本道』だ.訪問者が迷わず行動できるよう,シンプルに保つことが,成約率を高める.

デザインより「伝わるか」

LPは,凝ったデザインである必要はない.第5回でも触れた通り,『清潔感があり,価値が分かりやすく伝わる』ことの方が,見た目の派手さよりはるかに重要だ.デザインに凝るより,メッセージを磨く方が成約に効く.

既製のLPテンプレートやデザインツールを使えば,最低限見られるLPはすぐ作れる.まずは伝わるLPを作り,運用しながら改善する.完璧なデザインを待つより,伝わる中身を先に固めよう.

ファーストビュー ― 数秒で心をつかむ

LPで最も重要なのが,訪問者が最初に目にするファーストビュー(最上部の画面)だ.ここで『自分に関係ある,価値がありそう』と思わせられるかが,その後を読んでもらえるかを決める.LPの成否の大半は,ここで決まる.

ファーストビューに必要なのは,『何のサービスか』『誰のためか』『どんな価値があるか』が一目で分かるキャッチコピーだ.第3回のポジショニング『誰のための,どんな価値か』を,最も短く,刺さる言葉で表現する.曖昧な言葉や,内輪にしか分からない表現は避ける.

そして,ファーストビューには明確な行動への誘導(CTA)も置く.『無料で試す』『申し込む』といったボタンを,最初の画面から見える位置に配置する.価値を感じた人が,すぐ行動できるようにする.心をつかんだら,間髪入れずに行動へ導くのだ.

ファーストビューのキャッチコピーは,『機能』ではなく『得られる結果・解決』で語るのが鉄則だ.『〇〇な機能があります』ではなく『〇〇という面倒が,これで無くなります』.訪問者の課題が解決された姿を,最初に見せる.これが,続きを読ませる力になる.

「自分ごと」と思わせる

ファーストビューで,訪問者に『これは自分のためのサービスだ』と感じさせることが理想だ.第3回で狭く絞ったターゲットに対し,『〇〇でお困りのあなたへ』のように呼びかければ,対象者は強く反応する.万人向けの言葉は,誰の心も動かさない.

ポジショニングを狭く尖らせたからこそ,ファーストビューで『あ,これ私だ』と思わせられる.第3回の差別化が,ここで成約率という形で実を結ぶ.広く浅くではなく,狭く深く刺すのがLPでも有効だ.

サービスの画面イメージを見せる

ファーストビュー付近に,サービスの実際の画面イメージを見せると,訪問者は『どんなものか』を直感的に理解できる.言葉だけより,視覚的に示す方が,価値が伝わりやすい.

完璧なスクリーンショットでなくてよいが,サービスの雰囲気と使い方が伝わるビジュアルがあると,信頼と理解が増す.第5回で『最初の体験を磨く』と述べたが,その体験の片鱗を,LPで先に見せるイメージだ.

価値の言語化 ― 機能でなく結果を語る

LPの本体では,サービスの価値を伝える.ここで個人開発者が最も陥りやすいのが,『機能の羅列』だ.『この機能,あの機能』と説明しても,訪問者には『で,それで何が良くなるの?』が伝わらない.

正しいのは,機能を『訪問者が得られる結果・解決』に翻訳して語ることだ.第2回で課題を『時間・お金』に換算したように,『この機能で,月10時間の作業が無くなる』『このミスがゼロになる』と,訪問者にとっての意味を示す.機能は手段,価値は結果だ.

効果的なのは,『課題 → 解決 → 結果』の流れで語ることだ.『こんな面倒がありますよね(課題)→ このサービスがこう解決します(解決)→ その結果こうなります(結果)』.訪問者が自分の課題を思い浮かべ,それが解決される未来を想像できるように導く.

価値を語るときは,具体的であるほど刺さる.『便利になります』では弱い.『毎週3時間かかっていた集計が,ボタン一つで終わります』のように,具体的な数字とシーンで語る.具体性が,リアリティと説得力を生む.

ベネフィットを前面に

機能(フィーチャー)と便益(ベネフィット)を区別しよう.『高速な処理エンジン(機能)』ではなく『待ち時間ゼロで仕事が進む(便益)』と語る.訪問者が欲しいのは機能のスペックではなく,それがもたらす便益だ.

機能の説明が必要な場面もあるが,必ず『それで何が良くなるか』とセットで示す.便益を前面に,機能はその裏付けとして.この順序が,価値を伝えるLPの基本だ.

訪問者の言葉を使う

LPの文章は,訪問者が普段使っている言葉で書く.専門用語や社内用語ではなく,ターゲットが自分の課題を語るときの言葉を使う.第2回のヒアリングで聞いた,顧客の生の言葉が,ここで活きる.

訪問者は,自分の言葉で語られると『分かってくれている』と感じ,心を開く.難しく賢そうな言葉より,相手の言葉で素直に語る方が,はるかに刺さる.

課題への共感 ― 「分かってくれている」と感じさせる

価値を伝える前に,訪問者の課題に共感を示すと,メッセージが格段に刺さる.『こんなことで困っていませんか?』と,訪問者が抱える痛みを言い当てる.自分の課題を正確に描写されると,人は『このサービスは分かってくれている』と感じる.

共感のパートでは,第2回で深く理解した『お金を払う痛み(鎮痛剤)』を,訪問者の言葉で描く.『毎回手作業で大変』『ミスが怖い』『時間が足りない』── ターゲットが日々感じている痛みを,リアルに言語化する.

この共感があるからこそ,その後の『解決』が響く.痛みを思い出させ,それが消える未来を見せる.課題への共感なしに価値だけ語っても,訪問者は『自分には関係ない』と感じてしまう.まず痛みに寄り添い,それから解決を示す順序が効く.

共感は,第3回のターゲットを狭く絞ったからこそ,深くできる.特定の誰かの,特定の痛みを,ピンポイントで描く.万人の漠然とした課題ではなく,狙ったターゲットの具体的な痛みを言い当てることで,『これは自分のためのサービスだ』という確信を生む.

痛みを具体的なシーンで描く

課題への共感は,抽象的でなく具体的なシーンで描くと刺さる.『業務が非効率』ではなく『毎週金曜の夜,また手作業で集計しながらため息をつく』のように,訪問者が思わず『それ,私だ』とうなずく情景を描く.

具体的なシーンは,訪問者に自分の状況を重ねさせる.第2回で聞いた顧客の実際の困りごとを,生々しく描写することで,共感は深まる.リアルなシーンが,心を動かす.

社会的証明 ― 「他の人も使っている」安心

人は,『他の人も使っている・評価している』ものに安心する.これを社会的証明と呼ぶ.LPに社会的証明を加えると,訪問者の『本当に大丈夫か』という不安が和らぎ,申し込みのハードルが下がる.

社会的証明には,『利用者の声(レビュー・推薦)』『導入実績・利用者数』『具体的な成果事例』などがある.実際に使っている人の生の声や,『〇〇社が導入』『〇〇人が利用』といった数字は,訪問者に安心と信頼を与える.

個人開発の初期は,まだ実績が少ないかもしれない.その場合は,最初の数人の利用者から,丁寧に感想をもらうことから始める.第5回で触れた『少数の熱狂』を大切にし,その声をLPに載せる.たとえ少数でも,リアルな利用者の声は,何もないより遥かに効く.実績は,運用しながら積み上げ,LPを育てていけばよい.

社会的証明で大切なのは『リアルさ・具体性』だ.作り物めいた完璧な推薦より,具体的で正直な利用者の声の方が信頼される.『〇〇が便利』という具体的な感想,できれば利用者の属性(どんな立場の人か)とともに示すと,ターゲットは自分を重ねやすい.

実績がなければ正直に価値で勝負

実績がまだ無い段階では,無理に社会的証明を捏造してはいけない.正直に,価値そのもので勝負する.誇張のない誠実なLPは,それ自体が信頼を生む.第3回でも触れた『正直さが信頼を生む』が,ここでも効く.

そして,最初の利用者を大切にし,その声を少しずつ集めて,LPを育てる.実績は,誠実な運用の積み重ねで自然に増えていく.最初から完璧な社会的証明を求めず,正直に始めよう.

不安の解消 ― 申し込みを妨げる壁を取り除く

訪問者が価値を感じても,申し込みを妨げる『不安』が残ると,行動に移せない.『お金がかかるのでは』『使いこなせるか』『途中で辞められるか』『データは安全か』── これらの不安を,LPで先回りして解消する.

効果的なのが,第4回でも触れた『無料トライアル』『いつでも解約できる』の明示だ.『まず無料で試せる』『気に入らなければいつでも辞められる』と分かれば,申し込みのリスクが下がり,心理的ハードルが大きく下がる.第4回の『解約しやすさを明示する逆説』が,LPでも効く.

また,よくある質問(FAQ)をLPに置くのも,不安解消に有効だ.料金,使い方,サポート,データの扱いなど,訪問者が抱きがちな疑問に,先回りして答える.不安が一つずつ消えるたびに,申し込みは近づく.残った疑問が,最後の一歩を妨げないようにする.

不安解消の本質は,『申し込むリスクを,できるだけ小さく見せる』ことだ.無料で始められ,いつでも辞められ,データは安全で,困ったら助けてもらえる── これらが伝われば,訪問者は安心して一歩を踏み出せる.価値の提示と,不安の解消は,車の両輪だ.

保証やサポートで安心を

『困ったときに助けてもらえる』という安心も,申し込みを後押しする.サポートの存在や,返金保証(可能なら)を示すと,訪問者は安心する.個人開発ならではの,距離の近い手厚いサポート(第3回の差別化)を,ここでアピールできる.

第27回で扱うカスタマーサポートとも連動するが,『買った後も安心』というメッセージは,申し込みの決め手になりうる.価値だけでなく,買った後の安心まで示そう.

CTA設計 ― 行動への明確な誘導

LPのゴールは,訪問者を行動させることだ.その行動への誘導が『CTA(Call To Action)』── 『無料で試す』『申し込む』といったボタンや誘導文だ.どれだけ価値を伝えても,CTAが弱ければ,訪問者は行動しない.

効果的なCTAの条件は,『目立つ』『何が起きるか明確』『行動のハードルが低い』ことだ.ボタンは目立つ色とサイズで,押したら何が起きるか(『無料で始める』)が分かり,できれば心理的に軽い行動(『まず無料で』)にする.『今すぐ購入』より『まず無料で試す』の方が,最初の一歩は踏み出しやすい.

そして,CTAはLPの複数箇所に配置する.ファーストビュー,価値を伝えた後,不安を解消した後,ページの最後── 訪問者が『申し込もう』と思った瞬間に,すぐ行動できるボタンが目の前にある状態を作る.せっかく気持ちが高まっても,ボタンを探させては機会を逃す.

CTAの文言は,訪問者目線の『得られること』で書くと効果的だ.『送信』より『無料で時短を始める』のように,ボタンを押した先の便益を示す.第2回・本記事で繰り返した『機能でなく結果』が,CTAの文言にも当てはまる.

ハードルの低い第一歩を用意する

いきなり『有料契約』を求めるより,『無料トライアル』『無料登録』といったハードルの低い第一歩を用意する.第4回の収益モデルで設計したトライアルが,ここで集客と接続する.まず軽く始めてもらい,価値を体験させてから課金へ導く.

最初の一歩が軽いほど,踏み出す人は増える.そして第23回のオンボーディングで価値を体験させ,課金につなげる.LPのCTAは,この『軽い第一歩』への入口として設計しよう.

料金の見せ方 ― LPと料金ページをつなぐ

多くの訪問者は,申し込む前に料金を知りたがる.LPに料金情報(または料金ページへの明確な導線)を用意することが,不安解消と成約の両面で重要だ.第4回で設計した料金とプランを,訪問者に分かりやすく示す.

第4回でも強調したが,料金は明示するのが原則だ.『要問い合わせ』では,多くの訪問者が離脱する.プランと価格を分かりやすく見せ,第4回の松竹梅やおすすめ表示で,本命プランへ自然に導く.透明な料金提示が,信頼につながる.

そして,料金の提示には価値の裏付けを添える.第4回の価値基準の値付けの考え方を,LPでも示す.『月〇〇円で,月10時間の作業が無くなる』のように,価格に対して得られる価値が大きいことを伝えれば,価格は『高い』ではなく『お得』に見える.価格と価値を,セットで提示するのだ.

LPと第4回の料金ページは,連携して成約へ導く.LPで価値と不安解消を固め,料金ページで最後のひと押しをする.両者を一貫したメッセージでつなぎ,訪問者が迷わず申し込みまで進める動線を作ろう.

価格を価値と並べて見せる

価格を単独で見せると『高い・安い』の判断になるが,得られる価値と並べて見せると『お得かどうか』の判断になる.第4回の価値基準の発想で,『この価格で,これだけ得をする』を明確に示す.

価格への抵抗は,価値が伝わっていないことから生まれることが多い.LPで十分に価値を伝えた上で価格を見せれば,訪問者は納得して申し込む.価値の提示が,価格の説得力を支える.

LPの改善 ― 数字を見て育てる

LPは,一度作って終わりではない.成約率という数字を見ながら,継続的に改善するものだ.第5回で触れた『出して,計測して,改善する』が,LPでも当てはまる.最初のLPは仮説であり,データで磨いていく.

見るべき数字は,『訪問者のうち,何%が申し込んだか(成約率/コンバージョン率)』だ.これを計測し,改善のたびに変化を見る.どこで訪問者が離脱しているか(どこまで読んで去るか)も分かれば,弱点が特定できる.

改善は,一度に大きく変えず,要素を一つずつ試すのが基本だ.キャッチコピー,CTAの文言,価値の見せ方── 一つ変えて,成約率がどう変わるかを見る(可能ならA/Bテスト).これにより,何が効いたかが分かり,着実にLPが強くなる.第18回の計測の考え方が,LP改善でも活きる.

LP改善は,集客施策の中で最も費用対効果が高いことが多い.集客数を増やすのは大変だが,成約率が2倍になれば,同じ集客で収益が2倍だ.第21回以降の集客施策と並行して,LPの改善を地道に続けることが,収益を大きく伸ばす.

まず公開して数字を取る

完璧なLPを作ってから公開しようとすると,いつまでも出せない.まず『伝わるLP』を公開し,実際の数字を取りながら改善する.第5回のMVPと同じく,LPも出して育てるものだ.

実際の訪問者の反応こそが,最良の教師だ.机上で悩むより,公開して数字を見て,仮説を検証しながら磨く.動き始めたLPは,改善を重ねるたびに,着実に成約率を上げていく.

LP設計でやりがちな失敗

最後に,個人開発のLP設計でありがちな失敗を確認しよう.いずれも,訪問者を取りこぼし,成約を逃すものだ.

  • 機能ばかり並べる:訪問者の『で,何が良くなるの』に答えられない
  • ファーストビューが弱い:数秒で去られ,その先を読まれない
  • ターゲットが曖昧で誰にも刺さらない:万人向けで誰の心も動かさない
  • CTAが弱い・見つけにくい:申し込もうとした人を逃す
  • 作って放置・数字を見ない:改善されず成約率が伸びない

共通する教訓は,『訪問者の視点で,課題に共感し,結果を語り,不安を消し,明確に行動へ導き,数字で改善する』ことだ.LPは,集客の合流点であり,収益への変換装置.デザインの巧拙より,誰に何をどう伝えるかの設計が成否を決める.原則を押さえれば,個人でも刺さるLPは作れる.

公開前に第三者の目で確認する

作り手は,サービスを知りすぎているため,初見の訪問者に伝わるかが分からなくなる.公開前に,サービスを知らない人にLPを見てもらい,『何のサービスか,価値が伝わるか』を確認すると,独りよがりを防げる.

『何のサービスか分からない』と言われたら,ファーストビューが弱い証拠だ.第三者の素直な反応は,貴重なフィードバックになる.第2回・第5回のユーザー視点の検証を,LPにも適用しよう.

補論 ― 成約を生むLPも「信頼される土台」の上で

どれだけ優れたLPを作っても,それが怪しいURLや遅い表示で提供されては,訪問者は申し込む前に不安になって去る.LPの成約率は,その土台となる独自ドメインとサーバーの信頼性・速度にも支えられている.

サービスの顔となる独自ドメインは取り扱い400種類以上のドメイン取得サービス─ムームードメイン─で取得でき,独自ドメインのLPは,それだけで訪問者に『きちんとした事業』という信頼を与える.そして,LPがキビキビ速く表示されることも成約率に直結する.高速NVMe・50種類以上のOSテンプレートに対応した国内VPS─シン・VPS─のような高速NVMeのVPSなら,LPを速く安定して表示でき,せっかく高まった申し込みの気持ちを,遅い表示で冷ますことがない.第4回・第13回・第16回で整えた独自ドメイン・HTTPS・料金の土台が,LPの成約力を底から支える.

『訪問者の視点で価値を伝え,不安を消し,信頼される土台の上で申し込みへ導く』── これが成約するLPの正解だ.LPという受け皿が整ったら,次はそこへ見込み客を継続的に集める番だ.次回は,コンテンツで集客する『SaaSのSEO』を解説する.

よくある質問(FAQ)

Q1.LPはなぜそんなに重要なのですか?

集客施策(SEO・SNS・広告)で人を集めても,受け皿のLPが弱ければ訪問者は申し込まずに去り,集客の労力が無駄になります.逆にLPの成約率が上がれば,同じ集客努力で収益が何倍にもなります.LPは集客のあらゆる施策が注ぎ込まれる収益の合流点で,改善は極めて費用対効果の高い施策です.

Q2.ファーストビューで何を見せるべき?

『何のサービスか』『誰のためか』『どんな価値があるか』が一目で分かるキャッチコピーと,明確なCTA(無料で試す等)です.機能ではなく『得られる結果・解決』で語り,第3回で絞ったターゲットに呼びかけて『これは自分のためだ』と思わせます.訪問者は数秒で去るか判断するので,ここで成否の大半が決まります.

Q3.価値はどう伝えればいいですか?

機能の羅列ではなく,機能を『訪問者が得られる結果・解決』に翻訳して語ります.『高速な処理エンジン(機能)』でなく『待ち時間ゼロで仕事が進む(便益)』のように.『課題→解決→結果』の流れで,具体的な数字とシーン(毎週3時間の集計がボタン一つで終わる等)で語ると,リアリティと説得力が生まれます.

Q4.実績がまだ無いのですが社会的証明はどうすれば?

無理に捏造せず,正直に価値そのもので勝負してください.誇張のない誠実なLPは,それ自体が信頼を生みます.そして最初の数人の利用者から丁寧に感想をもらい,その声を載せてLPを育てます.第5回の『少数の熱狂』を大切にし,たとえ少数でもリアルな声は何もないより遥かに効きます.

Q5.申し込みのハードルを下げるには?

申し込みを妨げる不安(お金・使いこなせるか・解約できるか・データは安全か)を先回りで解消します.第4回の無料トライアルや『いつでも解約できる』の明示が効果的で,申し込みのリスクを小さく見せます.FAQをLPに置いて疑問に先回りで答え,サポートや保証で『買った後も安心』を示すのも有効です.

Q6.CTA(申し込みボタン)の作り方は?

『目立つ』『何が起きるか明確』『行動のハードルが低い』が条件です.目立つ色とサイズで,『無料で始める』のように押した先が分かり,いきなり購入より『まず無料で試す』など軽い第一歩に.ファーストビュー・価値提示後・最後など複数箇所に配置し,申し込もうと思った瞬間にすぐ押せる状態を作ります.

Q7.料金はLPに載せるべきですか?

載せるべきです.多くの訪問者は申し込む前に料金を知りたがり,『要問い合わせ』では離脱します.第4回の松竹梅やおすすめ表示で本命プランへ導きつつ,価格は必ず価値と並べて見せます.『月〇〇円で月10時間の作業が無くなる』のように示せば,価格は『高い』でなく『お得』に見えます.

Q8.LPは一度作れば完成ですか?

いいえ,成約率(訪問者のうち何%が申し込んだか)を見ながら継続的に改善するものです.最初のLPは仮説で,データで磨きます.一度に大きく変えず,キャッチコピーやCTAなど要素を一つずつ試して効果を見ます.集客数を増やすより成約率を上げる方が費用対効果が高いことも多く,地道な改善が収益を大きく伸ばします.

まとめ ― 訪問者の視点で,申し込みへ導く

ランディングページは,集客のあらゆる施策が注ぎ込まれる合流点であり,訪問者を顧客に変える収益の変換装置だ.どれだけ人を集めても,LPが弱ければ成約しない.だからこそ,集客フェーズの最初に固める価値がある.

鍵は,『訪問者の視点で』『ファーストビューで心をつかみ』『課題に共感し』『機能でなく結果を語り』『社会的証明と不安解消で信頼させ』『明確なCTAで行動へ導き』『数字で改善する』ことだ.

デザインの巧拙より,『誰に,何を,どう伝えるか』の設計が成否を決める.第3回で固めた差別化とポジショニングを,訪問者に刺さる言葉で表現する.原則を押さえれば,個人でも申し込まれるLPは作れる.

LPという受け皿が整ったら,次はそこへ見込み客を継続的に集める番だ.次回は,広告費をかけず,コンテンツで継続的に見込み客を集める『SaaSのSEO』を,個人開発の現実的な集客手段として解説する.